本の紹介 オルテガ『大衆の反逆』 | 東進ハイスクール高円寺校|東京都

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2015年 12月 2日 本の紹介 オルテガ『大衆の反逆』

どうも長戸です!!

現在読んでいる本は、Ortega y Gassetの『大衆の反逆』という本です!!

1930年に書かれた本ですが、今の日本の社会状況にも大きな示唆を与える本です。

「そのことの善し悪しは別として、今日のヨーロッパ社会において最も重要な一つの事実がある。それは、大衆が完全な社会的権力の座に登ったという事実である。大衆というものは、その本質上、自分自身の存在を指導することも出来なければ、また指導すべきでもなく、ましてや社会を支配統治するなど及びもつかないことである。したがってこの事実は、ヨーロッパが今日、民族や文化が遭遇しうる最大の危機に直面していることを意味しているわけである。[……]つまり、大衆の反逆がそれである。」(オルテガ、神吉敬三訳(1930=1995)『大衆の反逆』、筑摩書房、p11)

これは、大衆を否定した、エリート政治の提唱に一見思われるかもしれません。

しかし、オルテガのいう「大衆」には特殊な意味がこめられています。

すなわち、「善い意味でも悪い意味でも、自分自身に特殊な価値を認めようとはせず、自分は「すべての人」と同じであると感じ、そのことに苦痛を覚えるどころか、他の人々と同一であると感ずることに喜びを見出しているすべての人のことである」。

自分の殻に閉じこもって、現状に満足して甘んじる、現在の自分にうぬぼれている人達を、オルテガは「大衆」と読んでいるのですね。

別の言葉では、「慢心しきったお坊ちゃん」とも呼んでいます。

そのような人達がこの世の中に満ち溢れてしまい、自分の意のままに行動し、社会を動かしていくさまを、オルテガは痛烈に批判しました。

 

どうです、なかなか挑発的でしょう。

例えば、なにかツイッターで流れてきた言葉を鵜呑みにして、自分の「意見」を持つ。それで、自分が「正しい」と思うことを言う。

ですが、それは自分が本当に考え抜いた結果たどりついたものなのでしょうか。

紋切りの言葉に自分が流されていたりしませんか?

僕は、「思想」を持つことはよくないといっているわけではありません。

でも、「思想」を持つことだけで満足してはいけません。

「思想」は、本当に正しいことは何か、真理にたどりつくための武器です。

例えば、あることに関して、Aという立場と、Bという立場があるとします。

どちらの立場も激しく衝突しています。

あなたなら、どうしますか?

僕だったら、どちらの立場にも立ちません。

なぜなら、どちらの立場も多少は正しいところがあるからです。

そして、両方の意見を取り入れた上で、判断します。

でも、人間は完璧ではない。人間は間違える生き物です。

判断を一旦保留することも時には大切だと思いますよ。

 

やや難解ですが、大変面白くて考えさせられる本です。ぜひ!!

それでは~~!